横浜華僑通訊 最新2017年10月号より抜粋

目次:

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国慶68周年 中日国交正常化45周年を祝賀

婦女会、敬老会を開催

廣東同郷会、敬老の日を盛大に祝う

華文教育の「新たな100年」を目指して

中国語なう

新・ハローワークの窓から





国慶68周年 中日国交正常化45周年を祝賀
 10月1日、横浜中華街華やぐ

慶祝酒会開く

祝賀のケーキをカットする
王忠福会長(右2)、王軍参事官兼総領事(右1)、陳三虎参事官(右3)、陳隆進東京華僑総会副会長(左1)

 中華人民共和国成立68周年の国慶節を迎えた10月1日(日)、朝から好天に恵まれ、横浜中華街の料理店や商店の軒先には国慶節を祝う五星紅旗がはためいて、街中に祝賀気分が盛りあがった。
 この日、横浜華僑総会(王忠福会長)は正午から、ローズホテル横浜2階のザ・グランドローズボールルームで盛大な国慶酒会を催した。
 慶祝酒会には駐日中国大使館から王軍参事官兼総領事・陳三虎参事官など中国大使館の代表、駐横浜大韓民国総領事館林熙順領事、神奈川県首藤健治副知事、神奈川県県議会小野寺慎一郎副議長、横浜市柏崎誠副市長、横浜市会森敏明副議長、横浜市中区の竹前大区長はじめ、多数の神奈川県・横浜市の地方自治体各部門の代表、県・市議会議員、在日本大韓民国民団神奈川地方本部代表、在日本朝鮮人総連合会神奈川県本部代表、神奈川県下の各中日友好団体の代表、神奈川県内の大学・高等学校・中学校・小学校の代表、中日両国各金融機関代表、中国メディア駐日特派員、華文メディア代表、地元山下町町内会代表、京浜地区の僑会・僑団の代表、及び本会会員など僑胞、総勢約450人が出席、一堂に会して中華人民共和国成立68周年、中日国交正常化45周年を熱烈に慶祝した。
 慶祝酒会は木田亜海さん(横浜中華学校58届卒業生)と陳亮さん(本会理事)が中日両国語で司会し、進行した。
 冒頭、国慶節を祝い中国国歌「義勇軍行進曲」が高らかに会場内に響きわたった。
 主催者を代表し、今夏本会会長に就任した王忠福会長が公の席で初めてあいさつした。王会長は祖(籍)国の「一帯一路」の壮大な構想に触れ、また国交正常化45周年を顧みて当時の熱気をかすかに覚えているとふりかえって、両国人民の末長い友好を誓った(全文別掲)。
 続いて、中国大使館の王軍参事官兼総領事が、大使館を代表して国慶68周年に寄せるお祝いのことばを述べた(要旨別掲)。
 続いて神奈川県首藤健治副知事と横浜市柏崎誠副市長がそれぞれを代表し祝辞を述べた。
 慶祝酒会初の試みとして今年、国慶節を祝う大きなケーキを用意し、王忠福会長と王軍参事官兼総領事・陳三虎参事官、東京華僑総会陳隆進副会長がケーキに入刀し、国慶節を祝った(上写真)。ケーキはのち、デザートとしてふるまわれた。
 横浜山手中華学校家長会譚優矢会長(本会副会長)が乾杯の発声をし、終わると同時に中華学校校友会国術団の4頭の獅子が登場し、勇壮な獅子舞で会場は祝いの気分で盛りあがった。続いて中華学校校友会国術団舞踊組が民族舞踊を披露した。
 午後1時20分、朱銘江副会長があいさつをし、国慶酒会は閉会した。


王忠福会長ごあいさつ


尊敬的中華人民共和国駐日本国大使 館領事部参賛兼総領事王軍先生
尊敬する駐横浜大韓民国総領事館領 事林熙順先生
尊敬する神奈川県副知事首藤健治先生
尊敬する横浜市副市長柏崎誠先生
親愛なる僑胞の皆さま
友人の皆さま
 本日は横浜華僑総会が主催する国慶節祝賀レセプションにお越しいただき、ありがとうございます。
 この夏、謝成發会長の後任として、横浜華僑総会会長を拝命しました王忠福と申します。
 本日は高いところからたいへん恐縮ではございますが、つつしんでごあいさつを申しあげます。
 6年にわたった謝成發前会長から重責ある役職を引き継ぎ、身の引き締まる思いであります。この伝統ある横浜華僑総会をさらに発展させるべく精進してまいりますので、皆さまにおかれましてはより一層のご指導、ご鞭撻(べんたつ)をたまわりたく、よろしくお願いいたします。
 さて、わが祖国―中華人民共和国は、本日建国68周年を迎えました。また、この秋、中国と日本が国交を正常化して45周年の記念すべき年を迎えました。
 きょう、ここに多くのご来賓と広範な華僑華人同胞のみなさまとともにこのふたつの喜びを分かちあえることを大変うれしく思います。
 わが祖国中国は長年にわたる対外開放政策を堅持しつつ、国内外において飛躍的な発展を遂げてきました。
中国は自らが発展するだけでなく、日本を含む東アジアの隣国、および世界の国々と手を携え、ともに発展し、繁栄すべく努めています。
 近年において中国は、互恵ウィンウィンの方針を提唱し、すなわち「一帯一路」、シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードという壮大な構想を打ち出しています。この構想により世界各国がともに利益を受け、人びとに多くの恩恵がもたらされるものと確信しております。
ここ横浜は1859年の開港以来150余年、諸外国との交易で栄えてきました。開港当初よりこのかた多くの華僑華人の先人がこの地に降り立ち、中華の優秀な伝統文化を後世に伝えつつ、世代を継いで地域の方々と仲睦まじく暮らし、今日の中華街の繁栄の礎を築いてきました。
 そういう私も華僑3世として横浜に生まれ、この街に育ち、中国と日本のそれぞれのすぐれた文化の薫陶を受けてきました。
 私がまだ3歳だった1972年9月、戦後27年を経て中国と日本は両国人民の念願であった国交正常化を成し遂げました。
 当時、私は幼いながらも、私の両親を含む大人たちが中国と日本の新たな時代の到来を喜ぶ姿をなんとなく記憶しております。国交正常化をきっかけに、中華街で中国料理を楽しむ日本の方がとても増えたと聞いております。
 あれから45年、中国と日本は一衣帯水の隣国として、さまざまな分野で友好交流を深めてまいりました。
 近年、両国関係がギクシャクすることもありました。私たちの愛国愛郷の気持ちは変わることはありませんが同時に、私たちは第2の故郷である日本を大事に思い、この地で平穏に暮らしたいと考えています。これからも横浜華僑総会は日本の方々と手を携え、中日友好を強く願って活動してまいります。
 本日、中華人民共和国建国68周年と中日国交正常化45週年のふたつの喜びを祝うにあたり、横浜華僑総会会長として私は、この中日友好の栄えある伝統理念を継承し、さらにこのバトンを次の世代につないでいく崇高な使命を担う覚悟を新たにしました。
 きょう、ご臨席の皆さまにおかれましても、われわれ横浜華僑総会とともに、子々孫々にわたる中日友好をさらなる高みへと推し進めていきましょう。
 偉大祖国万歳! 中日友好万歳!
 謝謝大家。ありがとうございます。


慶祝パレード華やかに


 10月1日午後、国慶酒会の終了後に本会は、横浜中華街で国慶節と中日友好45周年を祝う盛大なパレードを繰り広げた。
 午後2時、けたたましく鳴り響く爆竹を合図に、西門通りに集結した約300人からなる隊列は、善隣門、中華街大通り、南門シルクロード、関帝廟通り、福建路と、中華街を一周する行進を始めた。




 6頭の獅子が先頭で露払いし、そのあとに横浜山手中華学校中学部女子生徒が掲げる「慶祝中華人民共和国国慶」の横断幕が続いた。
 今年も梁健祥さん(横浜中華学校35届卒業生)が旗手となり、巨大な五星紅旗を掲げ行進し、張亜洲理事と陳堅理事が両サイドを固めその護衛にあたった(左写真)。
 パレードには、昨年初めて参加し好評だった「世界旗袍聯合会横浜分会」が華やかなチャイナドレスで今年も参加し、パレードに華を添えた。
また、過去の国慶節パレードに登場するも長らく途絶えていた「腰鼓隊」が今年復活。これは今春、山手中華学校の校友生などが結成した「華韻玲瓏腰鼓隊」で、日ごろの練習の成果を国慶節の晴れ舞台で力強く初披露した。
 パレードにはほかに、山手中華学校の生徒と横浜中華学校校友会国術団による中国舞踊や龍舞も参加。横浜華僑総会の理事も、中・日の国旗を手に行進し、「中華人民共和国成立万歳」「中日両国友好万歳」と声を張りあげて行進、終着点である福建路と西門通りが交わる交差点までにぎわいは続いた。
 今年の国慶節は日曜日で中華街には多くの来街者が訪れていて、盛大なパレードは例年に比べてより多くの人に、中国の建国と中日国交正常化をアピールした。


午後4時から「国慶 採青」


 横浜中華学校校友会国術団と山手中華学校在校生による獅子舞「採青」は、本会が主催して10月1日午後4時に始まった。5頭の獅子が中華街の街路をくまなく巡り、店舗あるいは路上で国慶節を祝い商売繁盛を願って勇壮な舞いを繰り広げた。
 来街者はけたたましい爆竹の炸裂(さくれつ)音に驚きながらも、太鼓やドラのリズミカルなテンポにあわせて小気味よく舞うアクロバティックな獅子舞を堪能していた。
 午後8時前、5隊が山下町公園に集結し、締めくくりの舞いを披露し、「採青」はフィナーレを迎えた。







婦女会、敬老会を開催


 横浜華僑婦女会(繆桂馨会長)は9月13日(水)、午後1時から横浜華僑婦女会館1階で2017年敬老会を開催した。
 初めに繆会長があいさつし、婦女会館の1階部分の借り手がまだ決まっておらず、話がいくつかきているが見通しは不明、と述べた。
 司会を符順和委員が務め、会員で古希を迎えた李桂子・馬華香・李蓮美・陳貴香・潘蘭英の5名と、傘寿を迎えた城馨・張香代子・陳葵英・唐月麗の4名を紹介し、それぞれにお祝いの花束と馬拉糕をプレゼントした。傘寿を代表して唐さんがお礼の言葉を述べた。
 また出席した86歳以上の会員に敬意を表し、柳東成・呂宝蓮・曽麗娟・楊杏笑さんに真紅の花束をプレゼントした。
 会員は、福利部が数日前から準備した炊き込みご飯・かぼちゃの煮付け・高野豆腐・鶏肉・つくねなど盛りだくさんの色鮮やかな手作り弁当を賞味し、久しぶりに会った友人とよもやま話に花を咲かせ楽しいひとときを過ごした。その後、国慶節を迎えることから、財政部が募金の呼びかけを行った。また音楽に合わせ「平甩功」という気功で身体をほぐした。
 最後に陳碧蓮副会長が閉会のあいさつをして、会は2時半に終了した。
       (横浜華僑婦女会)


廣東同郷会、敬老の日を盛大に祝う
 中華街に270名が集う

 一般社団法人廣東同郷会(陸煥鑫会長)は9月18日(月・祝)、横浜中華街聘珍樓本店で恒例の敬老の日を祝う聯歓会を開催した。
 台風18号の影響が心配されたが当日は台風一過の好天に恵まれ、会員やその家族270名が一堂に会し、2フロアを埋めた28の宴卓は大いに盛り上がった。参加した70歳以上の長老会員は100名を数えた。
 聯歓会は朱銘江副会長の司会で進められた。
 冒頭、陸会長はあいさつで自らの体験をもとに、高血圧の対処法として緑豆を摂取する健康管理法を紹介、長老会員が健康で過ごせるようアドバイスし、出席者は興味深く話に聞き入った。
 続いて、夏東開顧問の音頭で乾杯し、祝宴は始まった。
 参会者は特別に用意された懐かしいふるさと広東の名菜に舌鼓を打った。デザートには約半月後に迎える中秋節にちなみ、「蛋黄」入りナツメあんの広式月餅が供された。
 また、参加した70歳以上の会員には祝儀「利是(紅包)」が会から贈られ、また出席者に『廣東同郷会会刊』の最新号が配布された。
 閉会にあたって符順和副会長があいさつに立った。
        (廣東同郷会)


華文教育の「新たな100年」を目指して 103
「游芸大会」、演劇・合唱・楽器演奏・「相声」など多彩なプログラム
 横浜山手中華学校は隔年に開く「遊芸大会」を、9月23日(土)に開催した。10月1日の中華人民共和国建国68周年の国慶節を前に、海外に居住する僑胞に祝福を届けた。
 限られた練習期間に生徒は20のプログラムを完成させ、中国語・日本語・英語による劇のほか、合唱・楽器演奏、舞踊、「相声(漫才)」、獅子舞・手品など多彩な演目を披露した。
 午前9時、5人の司会者が壇上に上がり「2017学年度遊芸大会」の開幕を高らかに宣言すると、会場から拍手が沸き起こった。
 演目のトップは中学部による手品で、4種の手品を見事な手さばきで見せた。
 続いては小学3年生・4年生による合唱で、「世界の約束」「大中国」を日本語と中国語で歌いあげた。
 今年の遊芸大会では、中国語・日本語・英語による演劇が12組披露された。中学部が英語で演じた「白雪姫と7人のこびとたち」は、おなじみの演目だけに、王子が白雪姫を目覚めさすシーンでは、場内から大きな拍手が送られた。

 小学2年1班が演じた「小馬過河(子馬の川渡り)」は中国語劇で、物語をとおして人としての品位と道徳を示す内容であった。小学1年3班は豊富な小道具と音楽を駆使して「お友だちがいてよかった!」という内容をみごとに表現した。
 中学部の楽器演奏ではハンドベルを用い「風になる」が演奏された。生徒の見事なチームワークがすばらしい音色を奏でた。
 小学1年2班の「おたまじゃくしのお母さんさがし」は、カエルの成長過程をとおして、母と子のきずなの大切さを表現した。
 中学部生徒が演じた「かぐや姫」は、おなじみの日本の民話を題材に、きらびやかな舞台衣装に加え、みごとな「せりふ回し」に観客は惜しみない拍手を送った。
 中学部の4人の生徒による「相声(中国漫才)」は、中華学校が中国語教育を行う成果を表すかっこうの出し物であり、演者は巧みな話術で日ごろの授業風景を題材に、中国語を駆使して笑いを伝え、観客の拍手を得た。
 小学2年2班はウクライナの民話を題材にした中国語劇「手袋」を演じた。物語にはネズミ・カエル・ウサギなどの多くの小動物が登場し、児童はそれぞれの役柄を熱心に演じていた。
 小学1年1班は中国語劇「葫芦娃」を演じた。「葫芦娃」は中国ではだれもが知っている物語で、1986年には切り紙をモチーフにした「葫芦兄弟(ひょうたん兄弟)」という13集のアニメシリーズが製作されたほどで、兄弟が力を合わせておじいさんを助ける姿を、生徒は力いっぱい演じた。
 午前中の最後を飾ったのは中学部男子生徒による獅子舞。いつもの太鼓やドラのリズムにのった獅子舞のほか、「我愛北京天安門」や「Chinese Style」のリズムに乗せたディスコティックな獅子舞を見せた
 午後の最初を飾ったのは小学5年・6年生による楽器合奏。世界的な名曲である「青春舞曲」と映画「ドラえもん」の主題歌「ひまわりの約束」を、心をこめて演奏した。
 小学3年生は中国語児童劇「新緑野仙踪」を演じた。
 小学4年生は中国の民話を題材にした中国語劇「神筆馬良」を演じた。
 小学5年生はクリスマスにはまだ早いこの時期に、中国語劇「サンタクロースはだれ?」を演じた。
 中学部の18名の男女生徒による現代的なダンスは、従来の伝統的な民族舞踊と違う新しい表現スタイルを発表するよい機会となった。
 小学6年生による中国語劇「大切な贈りもの」は、20年後の自分を想像し、20年前に母校から受けた恩恵に感謝する物語をとおして中華学校に対する感謝の気持ちを表現した。
 中国語劇「不思議な国のアリス」は中学部生徒が演じた。ディズニー映画の名作を生徒は中国語でみごとに表現した。
 遊芸大会のトリを飾ったのは中学部生徒による合唱で、まず「いのちの歌」を日本語で歌い、続いて中華人民共和国成立68周年にあたり、ジャッキー・チェンが祖国とふるさと、そして家を思う気持ちを歌った名曲「国家」を合唱した。
 会場からは大きな拍手が沸き起こり、2017学年度の遊芸大会は幕をおろした。
 この日の遊芸大会には800余名の家長と来賓が鑑賞に訪れた。来賓には横浜市立北方小学校寺園淳校長・渡辺正規副校長、横浜市立元街小学校藤村幸秀校長、市立仲尾台中学校平本正則校長・直井一紘教諭、市立港中学校永島靖之副校長など教育関係者のほか、伊勢佐木警察署飯田信次先生・東京華僑総会林斯福会長・横浜華僑総会王忠福会長・横浜華僑婦女会繆桂馨会長・(一社)廣東同郷会符順和副会長・横浜中華学校校友会潘永誠会長、また学園理事会任政光顧問・梁慶安顧問、そして退職教職員の原幸古老師・黄瑞霞老師・唐月麗老師・潘民生老師・潘蘭英老師などが駆けつけ、学生・生徒の研鑽の成果を鑑賞した。
        (山手中華学校)


中国語なう 64  
 意思 yisi
  意味 ①考え・気持ち・意思
     ②意味 ③おもしろみ
     ④愛想・愛嬌・志・心持ち
     ⑤もよう・ようす・きまり・気配
 今回取り上げる「意思」はじつに多様な意味あいを持つ言葉で、日本語の「意思」と同じ意味のほか、前後に付く言葉やコンテキストにより違った解釈がされます。
 次の会話をみてみましょう。
领导:你这是什么意思?
小强:没什么意思,意思意思。
领导:你这就不够意思了。
小强:小意思,小意思。
领导:你这人真有意思。
小强:其实也没有别的意思。
领导:那我就不好意思了。
小强:是我不好意思。
上司:キミがくれたこの贈り物は何 だい?
小強:あなたへの贈り物で他意はあ りません。ほんの気持ちです。
上司:それはかたじけない。
小強:ほんの気持ちですから。
上司:キミはおもしろいヤツだな。
小強:いやいや、他意はございませ んから。
上司:じゃあ、遠慮なくいただいて おくよ。
小強:たいしたものではではありま せんから。
 部下である小強が上司に取り入るために贈り物をする場面、お互い巧みに「意思」を駆使し、遠まわしながら小強の下心が見え隠れするやりとりです。
 別のシチュエーション。お酒が苦手なのに飲まざるを得ないという場面。そんなときはグラスに口をつけてちょっと飲んでみせればよいのですが、これが中国の宴席だと基本「干杯」、飲み干さないといけません。
 度数の高い白酒が出された場合、下戸は閉口しますね。そんなとき知っておくと便利な中国語が「意思意思」という慣用的な表現です。小強と上司の会話にも出てきましたが、重ねることで「ほんの気持ちだけ=ちょっとだけ」という意味あいになります。
A:我不太能喝酒,喝一口意思意思。
 (お酒があまり飲めないので、一口 ほんの気持ちだけいただきます。)
B:好的,意思意思就行了。(わかっ た。気持ちだけでいいよ。)
という具合です。
 中国語「意思」のもうひとつの例文を紹介しましょう。
 「她经常给我抛媚眼,是不是对我有意思呢?(彼女はいつもボクに色目を使うけど、ボクに気があるのかな?)」
 中国語「有意思」には、「对○○有意思」の形で「(人)に気がある」「好意を寄せている」の意味もあります。
 「意思」は多義語ですが、じょうずに使いこなすと機微に触れる表現ができますね。


新・ハローワークの窓から 107
 いじめられているのかどうか

 会社の中でいじめられている、上司とも話しあったがそんなことはないといわれ、改善しないので新しい仕事を見つけて転職したいという人が、たまに相談に来る。なかには50代半ばで5年以上もその仕事に従事していても、職場でいじめがあると相談に来る人もいる。
 外国人で、職種や会社の状況や働き方にはそれぞれ違いがあるものの、たいていは日本語で相手の言うことが聞き分けられる人で、訴える内容はみな、ほぼ同じである。
 本人はいじめられているというが、本当にそうなのか真偽はわからない。ただ職業相談なので、本人の言い分を聞く。
 現状をよく聞いて、相談者には現在と同じ職種で同じ賃金の求人を探し、以前、求職活動をしていた時の大変さを思い出してもらう。すぐに紹介をしないで、求人票を持ち帰って考えてもらう。
 ほかの会社に入ったら、仕事も職場の人間関係も一から作り直すことになる。
 いまはつらいと思っているので、新しい会社のほうがきっといいに決まっていると思いがちだ。隣の芝生は青く見えるけれど、実際に入ってみなければどんな人が働いているかわからない。いい人がいるかもしれないし、嫌な人もいるかもしれない。またおなじように嫌な人がいたら、また辞めて別の会社を探すのかと尋ねる。
 辞める前に相談に来た人には、辞める選択と辞めない選択があり、どちらを選ぶにしても自分で決めるしかないと伝えるが、たいていは次の相談にやってこない。
 本当に嫌で辞めたければ、人が何と言おうと辞めているはずだ。
 上司・同僚のなかに少し合わない人がいても、ほかに仲よく付き合える人がいれば気持ちも収まるが、人数が少ない事業所では、相手が辞めるか自分が辞めるか、という考えになりがちだ。
 もう一つの手立ては、嫌だと思っている人のよいところを見つけてなんとか仲よくなること。もちろんそこでコミュニケーションは必要だし、努力はとても必要。ここで出来なければよその会社に移っても同じ結果になるかもしれない。
 ハローワーク横浜
 職業相談員 李 艶 薇